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少子化が進み子どもの総数が減少している日本ですが、児童虐待通報は急増し、いじめ、自殺、不登校の深刻化など、子どもが生きづらい世の中になっています。にもかかわらず、日本には子どもに関わるあらゆる場面で、子どもの権利が守られるべきと定める基本の法律がありません。日本は子どもの権利が守られているとは言いがたい現状なのです。

子どもの権利条約とは何か

子どもの権利とは?

子ども基本法という国内法制定をめざす話の前に、国際条約である「子どもの権利条約」についておさらいいたします。「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められました。18歳未満の子どもを「権利をもつ主体」と位置づけ、大人と同じ一人の人間としての人権を認める、成長の過程で特別な保護や配慮が必要な権利も定めています。

「子どもの権利条約」子どもの権利は大きく分けて4つあります

  • 生きる権利すべての子どもの命が守られること
  • 育つ権利もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりすること
  • 守られる権利暴力や搾取、有害な労働などから守られること
  • 参加する権利自由に意見を表したり、団体を作ったりできること

※公益財団法人 日本ユニセフ協会 子どもの権利条約より

「子どもの権利条約」 一般原則

  • 生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること) すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。
  • 子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと) 子どもに関することが行われる時は、「その子どもにとって最もよいこと」を第一に考えます。
  • 子どもの意見の尊重(意見を表明し参加できること) 子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。
  • 差別の禁止(差別のないこと) すべての子どもは、子ども自身や親の人種、性別、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。

子どもの権利条約が知られていない

子どもの権利条約は、1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効。日本は1994年に批准しました。しかし、日本国内で同条約を「内容までよく知っている」と答えたのは、子ども8.9%、大人2.2%に過ぎず、「聞いたことがない」という回答は、子ども31.5%、大人42.9%でした。保育や教育の専門職ですら、子どもの権利を認識していないという現状があります。

日本における子どもの権利条約の認知度(PDF)

なぜ「子ども基本法」が必要なのか

子どもの課題は相互に関連している

日本が1994年に子どもの権利条約を批准した際、日本政府は現行法で子どもの権利は守られているとの立場を取り、国内法の整備が行われませんでした。そのため、日本には「児童福祉法」「母子保健法」「教育基本法」「少年法」「児童虐待防止法」「子どもの貧困対策推進法」「成育基本法」など子どもに関わる様々な個別の法律はありますが、子どもを権利の主体として位置づけ、その権利を保障する総合的な法律が存在しません。2016年の児童福祉法改正で、その理念に「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」と書かれ、「児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮される」と明記されたことは画期的であり、他にも「子どもの貧困対策推進法」や「成育基本法」などの一部の法律で、子どもの権利条約について触れています。しかし、児童福祉法は福祉分野の法律であり、教育や司法の分野に及ぶものではありません。子どもの権利侵害に関する裁判においても子どもの権利条約を基盤とした判例はなく、国内法に定められていない影響が大きいといえます。

子どもをめぐる問題を抜本的に解決し、養育、教育、保健、医療、福祉等の子どもの権利施策を幅広く、整合性をもって実施するには、子どもの権利に関する国の基本方針、理念及び子どもの権利保障のための原理原則が定められる必要があります。そのためには、憲法及び国際法上認められる子どもの権利を、包括的に保障する「基本法」という法形式が必要なのです。

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地方自治体任せによる地域間格差

先進的な地方自治体では、兵庫県の川西市や川崎市など、子どもの権利に関する総合条例を独自に定めていたり、さらにそこから地方自治法を用いて子どもの権利擁護機関を設置する動きもあります。ただしそうした自治体は、約1,700あるうち40程度に留まります。先進的な自治体をロールモデルとして推進する必要はありますが、すべての子どもに普遍的な権利であるにもかかわらず、住む地域によって格差が生じている問題があります。子どもの権利について、国レベルでの法整備が急務です。

「子ども」だけ権利を守る基本法がない!?

基本法とは「国政に重要なウエイトを占める分野についての国の制度、政策、対策に関する基本方針・原則・準則・大綱を明示するもの」です。例えば、日本では障害者の権利には「障害者基本法」、女性の権利には「男女共同参画社会基本法」があります。これらの基本法では、障害者や男女の人権の尊重、国や地方公共団体の責務、基本計画の作成、法制上・財政上の措置、年次報告の国会への提出等が定められています。しかし子どもについては、子どもの包括的な権利や国の基本方針を定めた基本法が存在しておらず、子ども政策が後回しにされる一因となっています。子どもを社会の中心に据え、常に子どもの最善の利益を優先して考える社会にしていくために、一日も早い子ども基本法の制定が求められています。

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障害者の権利・男女の権利・子どもの権利(PDF)

※子どもの権利については基本法が存在していない

「子ども基本法」の試案

子どもの権利条約を遵守します

子ども基本法の柱建て試案(1):理念と責務
子ども基本法では、「子ども」を冠する基本法として、名実ともに子どもが中心に据えられた法律としています。そこでは、子どもはその発達上の状態ゆえに特に人権侵害を受けやすい特性を考慮し、個々の子どもの年齢や発達の状況を十分踏まえつつ、子どもを権利の主体として捉え、子どもの権利条約の一般原則をはじめとした子どもの諸権利を社会全体で遵守する必要性を明記します。

基本法の柱建て試案(2):基本的施策
国で子どもの権利の推進に向けた年間計画を策定します。また、子どもの権利を中心として省庁横断的に整理・調整するため、国に「子ども総合政策本部(仮称)」を設置し、前述の年間計画を行政内から総合的に調整し各省庁・部局の政策の改善促進を牽引します。また、正確な現状把握や予防的政策による積極的な権利保障の実現のため、省庁横断データベース等の調査研究基盤を整備します。

基本法の柱建て試案(3):「(仮称)子どもコミッショナー」の設置
現在、日本の一部の自治体で子どもオンブズパーソンや子どもの権利委員会など、子どものSOSを受け止めて解決をはかる取り組みが実施されています。しかし子どもの権利保障に特化した国レベルの独立した子どもの権利擁護機関((仮称)子どもコミッショナー)は存在しません。子どもは自らがその権利侵害を訴えることが難しく、弱い立場にあるため、子ども基本法によって、子どもの権利を守ることに特化した「(仮称)子どもコミッショナー」を設置します。子どもコミッショナーに重要なのは組織運営及び活動における独立性であるため、政府の外局として置かれる合議制の行政委員会としての設置を目指します。

子ども基本法条項案(PDF)

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子どもの権利を保障する法律(仮称:子ども基本法)および制度に関する研究会 提言書

提言書はこちら(PDF)

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